残業時間の1時間未満の端数(例:月間20時間20分など)について、事務処理の簡素化のため、切り捨ててもよいでしょうか。
A.1か月における時間外労働、休日労働および深夜業の各々の合計について、端数処理は認められる。
具体的には、(昭和63.3.14揮発150号)の通達で下記の処理方法が認められている。
【1】割増賃金計算における端数処理方法
①1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に1円未満の端数が生じた場合、四捨五入して支払うこと
②1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合に四捨五入して支払うこと
③1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること
また、同じ通達で1か月の賃金支払い額における端数処理についても、下記認められている。
【2】1か月の賃金支払い額における端数処理
①1か月の賃金支払い額(賃金の一部を控除する場合には、控除した額)に100円未満の端数が生じた場合、四捨五入して支払うこと
②1か月の賃金支払い額に生じた1000円未満の端数を翌月の賃金支払い日に繰り越して支払うこと
実務上の留意点
【1】1日単位での時間外労働、休日労働及び深夜業の切り捨て、切り上げは認められていない。
認められているのは、1か月の合計時間の1時間未満の端数であって、1日単位や1週間単位などでの端数処理は認められておりません。
【2】30分未満は切り捨てし、30分以上の端数を切り上げなければならない。
30分未満は切り捨てし、30分以上を切り上げせずそのまま処理するといった取扱いはできない。
ご質問の例でいうと「月間20時間20分」であれば、20時間とすることは可能だが、「月間20時間35分」という場合には、21時間としなければいけない。