労働者の募集や求人申し込みについて【職業安定法】

職業安定法は、主に求人や職業紹介について定める法律です。
企業が求人をする際の求人情報に関するルールが具体的かつ厳格化されており、知らないうちに法律違反になる恐れがあります。
求職者とトラブルにならないよう、求人募集のポイントについて確認していきます。
また、2024(令和6)年4月1日改正内容についてもあらかじめ予習していきましょう。
◆労働条件変更等の明示義務
  • ハローワーク等へ求人申し込みをする際や、ホームページ等で労働者の募集を行う際、当初明示した労働条件と異なる場合など、その都度速やかに明示しなければなりません。
  • 労働条件の変更は、下記の①~④の場合に、変更の明示が必要となります。

⇒当初明示した情報と変更されたのちの内容を対照できる書面を別途交付する方法が望ましいですが、労働条件通知書において、変更された事項に下線を引いたり、着色したりする方法や、脚注を付ける方法での通知も可能です。

◆求人票等による募集時の明示事項の追加(2024(令和6)年4月1日施工 改正職業安定法施行規則
  • 以下の3点が追加となります。
追加される明示事項記載例
①従事すべき業務の変更の範囲(雇入れ直後)法人営業 (変更の範囲)製造業務を除く当社業務全般
(雇入れ直後)経理   (変更の範囲)法務の業務
②就業場所の変更の範囲(雇入れ直後)大阪支社 (変更の範囲)本社および全国の支社、営業所
(雇入れ直後)渋谷営業所(変更の範囲)都内23区内の営業所
③有期労働契約を更新する場合                      
の基準(通算契約期間または
更新回数の上限を含む)
契約の更新 有(契約期間満了時の業務量、勤務成績により判断)通算契約期間は4年を上限とする。
契約の更新 有(自動的に更新する) 契約の更新回数は3回を上限とする。
⇒「諸般の事情を総合的に考慮したうえで判断する」というような抽象的なものではなく、「勤務成績、態度により判断する」、「会社の経営状況により判断する」など、具体的に記載いただくことが望ましいです。
◆今後の対応

労働者とのトラブルにならない為には、労働条件の変更は容易にしないことはもちろんのこと、労働条件の水準、範囲等を可能な限り定める配慮が必要です。また、学校卒業見込み者等については特に配慮が必要であることから、変更を行うことは不適切となります。また、これらの法律違反を繰り返し、そのまま放置しておくことが悪質ととられ、求人を受け付けないとされるデメリットも多くあります。
改めて、貴社の求人票をご確認頂き、対応を進めて頂ければと存じます。