介護休業給付について【雇用保険制度】
介護離職が社会問題となっています。離職せずに、介護休業制度を上手く活用し、介護をしながら働く世代を応援していく必要があります。
今回は、雇用保険法の介護休業給付金の申請について、順に従って確認していきたいと思います。
◆介護休業の定義 |
そもそも介護休業の休業とは、労働者が下記の①および②を満たす対象家族を介護するためにする休業をいいます。
①要介護状態である
負傷、疾病又は身体もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護(歩行、排泄、食事等の日時生活に必要な便宜を供与すること)を必要とする状態
②対象家族の範囲
被保険者の配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母
◆介護休業を取得するにあたって |
事前に事業主に書面(介護休業申出書)によって申し出なければならない旨が規定されております。
介護休業申出書に対象家族の氏名、続柄、介護が必要な理由、休業開始予定日及び休業終了を記載し、事業主に休業する2週間前までに申出が必要です。
申出書様式は、特に定めはありませんので厚生労働省の様式を参考にしましょう。
支給要件
1.支給対象者
休業を開始した日の前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算して12か月(賃金支払い基礎日数11日以上ある月)以上あること
なお、介護休業を開始した日前に2年間に被保険者期間が12カ月ない場合であっても、当該期間中に本人の疾病等がある場合は、受給要件が緩和され、受給要件を満たす場合があります。
また、介護休業を開始した従業員が期間を定めて雇用される者である場合は、介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでないこと
2.支給期間及び回数
平成29年の改正法により、対象家族一人につき通算93日まで(1回の介護休業期間は最長3ヶ月)、3回を上限として、介護休業を分割して取得することが可能となりました。
また、休業開始日から1か月ごとに支給額の計算をするのですが、その期間中に就業していると認められる日が10日以下でなければ、支給対象となりません。
3.支給額
原則:賃金月額(賃金日額×支給日数)67%
※「賃金日額」は、介護休業を開始する前6カ月間の賃金を180で除した額になります。
●介護休業に支給対象期間中に賃金の支払いがあった場合、下記の支給調整がされます。
支払われた賃金が 賃金日額×支給日数の |
- 13%以下の場合・・・賃金月額の67%相当額を支給
- 13%超えて80%未満の場合・・・賃金月額の80%相当額と賃金の差額を支給
- 80%以上の場合・・・支給されない
◆手続きに必要な書類 |
申請書類のほかに内容を確認できる下記の書類が必要となります。
●従業員が事業主に提出した介護休業申出書 ●介護対象家族の方の氏名、申請書本人との続柄、性別、生年月日等が確認できる書類(住民票記載事項証明書等) ●介護休業の開始日・終了日、介護休業中の休業日数の実績が確認できる書類(出勤簿・タイムカード等) ●介護休業期間中に介護休業期間を対象として支払われた賃金が確認できる書類(賃金台帳等) |